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赤いピルと青いピル(幸せの重心35話)

幸せとは喜怒哀楽の調和である」というコンセプトで連載をしているマンガ「幸せの重心」(石川善樹さんのtwitterアカウントで連載中)
このnoteではマンガの先読みと、マンガの中で触れたことについて、少し掘り下げ、僕なりに感じたことを書いたりしています。

過去のnoteについて
この物語のスタート地点はこちら→0話「幸せとは喜怒哀楽の調和である」
前回のお話はこちら→34話「なんのための貯金?」
*過去のnoteは全て、マガジン「ヒツジゴヤ」内で読むことができます

自分の感情がわかってない?

僕は編集者さんによく、「ワタベくんはさぁ、自分の感情が、分かってないよね」と言われる。
「いや、分かってるし...」と心の中でずっとしっくりきてなかったのだが、「自分の行動の意図が分かってない」と解釈し直してみたらなんかしっくりきた。

例えば、ネームを編集者さんにみてもらう時に自分でも気づかない(気付きたくない)ところに、裏の意図が隠れてたりする。
「面白いマンガを描く」というのが目的なハズなのに、「直しを最小限に、楽してネームを終わらせたい」という姑息な意図が顔を出す。そうすると、自分で気づける問題も気づけなくなるのだ...

売り上げ3000万部!アニメ化決定!みたいな日本を代表する大ヒットマンガ描く
!!!!!と一大決心をして、マンガ家になったハズなのだが。(この一大決心の意図も怪しいものだ...)


人は常に、何かしらの意図を持って行動している。

怒ることで「相手を思い通りに動かしたい」、泣くことで「相手に可哀想だと同情してもらいたい」、優しくすることで「相手に好かれたい」・・・
少しイジワルな見方だけど、裏の意図を意識するとその人の本質が見えたりする。
タナカカメは、よく、自分を卑下することでフォローしてもらおうとしたり、自分を責めて悲しみに浸ることで行動しない理由を作ったりする。

「自分の裏の意図」と向き合うと「自分がどう生きたいか?」と向き合うことになるのかも。
自分で気づきたくないような裏の意図でも、無意識的にその行動を選んでるのは自分なワケだし。

ここまで書いて、なぜか、映画「マトリックス」で主人公のネオが、モーフィアスに赤いピルと青いピルを選ばされるシーンを思い出した。
ネオは、「作られたプログラムの中で生きるのか?(青)」「世界の真実を知りたいのか?(赤)」選ばされる。

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つまり、真実と対峙する勇気はあるか?と問われる。

なんか壮大な問いになってしまったがつまり、こういうことだ!

「自分の意図に気づかないフリをして、楽して締め切りを守りたいのか?(青)」それとも「自分の姑息な意図と対峙して、最高に面白いマンガを描きたいのか?(赤)」

ネームを出すたびに、モーフィアスのピルを思い出し、赤いピルを選びたいと思ったのだった...

今週の幸せの重心

「本当に伝えたいこと」

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ヨシキウサギは、奥さん方届いた不可解なメッセージの意味をタナカカメから教わる。タナカには、奥さんの気持ちがよく分かるようだ...

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毎週1本、できれば2本記事(目標)を公開していこうと思います。記事の内容は色々と変わっていくと思いますが、日々マンガを描いてい感じる率直なことをなるべくそのまま吐き出すようにしています。作品はもちろん、作品の外側(創作の過程など)を公開して、マンガをより深く楽しんでいただける場にしていければと思っています。

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