「悲しみ」のシミュレーション(幸せの重心16話)
石川善樹さんが考える「良く生きるとは何か?」をお伝えするべく始まった連載「幸せの重心」。
このnoteではマンガの先読みと、マンガの中で触れた善樹さんの考えを少し掘り下げ、僕なりに感じたことを書いたりしています。
過去のnote↓
1話「東京の夜空にある奇跡」🐇
2話「”後悔”とうまく付き合う方法」🐢
3話「幸せになる仕事の終え方」🐇
4話「感情に脳をハイジャックされない方法」🐢
5話「日本で1番の県名」🐇
6話「時代に参加するか、歴史に参加するか」🐢
7話「あなたの峠はなんですか?」🐇
8話「お年寄りか、○○○か」🐢
9話「幸せになるカレンダー」🐇
10話「ヨシキウサギの吃音の捉え方」🐢
11話「現代の千利休」🐇
12話「幸せとは?」🐢
13話「地球を名付けた男」🐇
14話「恥を感じる達人」🐢
15話「小さな発見の効果」🐇
失ったものをどう受容するか
今回のテーマは「悲しみ」と「受容」
善樹さんは「まんが日本昔ばなし」が好きで、いつも見ているそうなんですがその中でもベスト作品は杉井ギサブロー監督が手掛けている『火男』という作品。
善樹さん曰く、この『火男』という作品は「悲しい」という感情をどう扱うか、がテーマになっていて、その演出について
おじいさんが悲しむシーンでは、涙を流すまでにすごく時間をかけているの。まず、おじいさんの顔がアップになって、4、5秒くらいしてから、ほろりと涙を流す。贅沢な間の取り方しているよ。
こうおっしゃっています。
そして、日本昔ばなしや、この火男なんかは、西洋の物語のような「対立」「葛藤」を経て、右肩上がりに物語が進んでいくのではなく、
「失う」→「悲しむ」→「受容」する
という流れになっており、ただ元の地点に戻っているだけ、だと善樹さんは分析します。
ポジティブに、前向きに考えよう!という考え方もいいけれど、日本昔話風に悲しみを受容するというのは、ネガティブ思考寄りの僕にはなんだか無理がなくて、性に合っている気がしてしっくりきました。
そして善樹さんは、悲しい出来事を受容するための工夫として、日頃から、「起こりうる悲しい出来事」を想定しておくことで、実際にその悲しい出来事が起きた時の準備をしておくそうです。
たとえば、善樹さんの後輩の方が、タクシーに携帯電話を置き忘れて大パニックになったことがあったそうです。あまりに落ち込んでしまい、せっかくパリの素敵なレストランに行ったのに、後輩の方は食事が全然手につかなかったそうです。
そこで善樹さんは「今、お前がどれだけ悲しんでも、携帯が戻ってくるわけではない」と後輩に伝えたそう(笑)
確かに、ここで、悲しみを受容できるかできないかで、その後のディナーの味が変わると思うと、受容できる人間の方が楽しい人生を送れそう…
あまりにも悲しい出来事は、いくら準備しても悲しいだろうけど、意外と日常で起こる小さな悲しみを少しずつ受容することができればちょっとだけ生きやすくなるかも?
なかなかすぐにはできなさそうだけど、自分なりに受容の訓練をしてみよう…
今週の幸せの重心
カフェに財布を置き忘れたことに気づいたヨシキウサギ
珍しくしょんぼりするヨシキ。そんなヨシキを見て、カメのタナカは「もし自分が財布を失くしたら…」と状況を自分に置き換えて想像してみる。すると、タナカは自分でも気づかなかった、自分の意外な側面を発見する…
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