
セミの気持ちになって、セミを食す(幸せの重心18話)
石川善樹さんが考える「良く生きるとは何か?」をお伝えするべく始まった連載「幸せの重心」。
このnoteではマンガの先読みと、マンガの中で触れた善樹さんの考えを少し掘り下げ、僕なりに感じたことを書いたりしています。
過去のnote↓
1話「東京の夜空にある奇跡」🐇
2話「”後悔”とうまく付き合う方法」🐢
3話「幸せになる仕事の終え方」🐇
4話「感情に脳をハイジャックされない方法」🐢
5話「日本で1番の県名」🐇
6話「時代に参加するか、歴史に参加するか」🐢
7話「あなたの峠はなんですか?」🐇
8話「お年寄りか、○○○か」🐢
9話「幸せになるカレンダー」🐇
10話「ヨシキウサギの吃音の捉え方」🐢
11話「現代の千利休」🐇
12話「幸せとは?」🐢
13話「地球を名付けた男」🐇
14話「恥を感じる達人」🐢
15話「小さな発見の効果」🐇
16話「悲しみのシミュレーション」🐢
17話「褒めの呪縛」
探究心の源泉
先日、善樹さんと、人生で初めて昆虫を食べに行きました。
地球少年こと、篠原裕太さんがクラウドファンディングで700円万近くの資金を集め、始めたお店“アントシカダ“のコース料理をいただきました。
昆虫を食べたことのない僕からすると、未知の体験でしたが、見た目の美しさからか、抵抗なくものすごく自然に美味しくいただくことができました。
まさに、“アントシカダ“の由来を体現して、見事に僕の認識を変えていただきました…
アリ(ANT)とセミ(CICADA)。実は、イソップ寓話の「アリとキリギリス」の元ネタは「アリとセミ」でした。生き物はそれぞれ違うリズムで生きているのだから、アリとセミ、どっちが良い悪いではなく、どちらの美しさも認めあえる社会であってほしい。お店では、そんなフラットな目線で、食材やお客様に向き合っていきたい。そんな想いを込めて名前をつけました。
金額でいうと700万円近くの“応援“を集め、人の認識を変えてしまうほどの探究心はどこからきているのだろう…
お店の内装だけ見ても、壁一面に虫を漬けた瓶などがズラリと並んでおり、実験や試行錯誤の量が伺える。そして、「食は作業ではない、冒険だ。」という言葉を掲げ、篠原さん自ら虫を獲りに行く。
昆虫に限らず、こんなにも一つのことを探究し続けられる人ってなかなかいないだろうな…
そんなアントシカダの探究心に溢れたコースが進んでいく中で、一風変わったメニューが出てきた。それがこちら…
“セミの気持ち“
一見丸っこい木でできたオブジェのようなものなのですが、いくつか穴が空いており、ストローで中に入っている樹液(ジュース)が飲めるというもの。中には“ハズレ“の穴もあり、吸ってもなにも出てこなかったりもする。
…おもろいメニューだなぁと思いながら、蜜を吸っていた僕の隣で、善樹さんが興味深そうにひとこと言いました。
「セミの気持ちになれるくらいセミを愛してる人が、セミを食べる時って悲しさもあるんすかね?」
たしかに・・・・!なんとなく、おもろいメニューだなーくらいで見過ごしていたのですが、「セミの気持ちになりたい」ってそもそも相当な愛がないと辿りつかない発想ですよね?!
たしかに家族とか恋人とか親友とか、大切な人のことを本気で思うときって、あの人どんな気持ちなんだろう…って想像するし…それをセミに対してできるってものすごいことだと思いました。
先程僕が思った疑問…
金額でいうと700万円近くの“応援“を集め、人の認識を変えてしまうほどの探究心はどこからきているのだろう…
これの答えは昆虫に対する、昆虫へのものすごい愛なんだ…
その気持ちが探究心へとつながり、みんなが応援したくなって、人の認識を変えてしまうほどのものが出来上がるんだなと…
今週の幸せの重心
アントシカダに来たヨシキウサギと、カメのタナカ
コース料理を通じて、篠原さんの昆虫に対する愛の深さを感じる2人。
2人はセミの気持ちになれる程、昆虫を愛する篠原さんの、昆虫に対する奥深い感情について考えてみる…
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